今回から、本サイトで書ききれなかったB級グルメの名店の魅力を突っ込んで探ってみる、「名店探訪」というカテゴリーをスタートしてみます。
第一回目は、阿倍野にある居酒屋の名店、明治屋です。
何も余分なものが無い簡素で温かみのある空間、客と主人との会話、表を走る阪堺線のチンチン電車が織り成す落ち着いた時間など、この店の魅力については様々な媒体で語り尽くされているわけですが、私のB級的な観点からすると、この店の第一の魅力は「ダシ」にあるように思います。
アツアツの湯豆腐やおでんがおいしいのはどんな店でも当たり前の事なんですが、野菜の煮びたしやえんどう豆の卵とじのような、素材にダシを含ませて冷やしたおばんざいがおいしい居酒屋はなかなかありません。冷やすと、ダシのごまかしが効かないんですよね。
高野豆腐の炊いたんなんかをぎゅっと噛み締めると、口の中に飛び出したダシの冷たさが心地よく、その後にふわっとした香りが鼻の中に漂う・・・そこにぬる燗の日本酒を流し込む時ほど幸せを感じる事はありません。
この店はトイレが店の奥にあって、その途中で厨房の様子を覗く事が出来るんですが、本当に普通の家の台所なんですよね。明治屋を支えるおばさん達に感謝です。
明治屋 (居酒屋 / 阿倍野)
★★★★ 4.0