お目当ての店が臨時休業だったので、うろうろしていたらカツ丼、親子丼、マグロ丼が400円という看板が目に止まり、値段につられて入ってみました。夜は焼鳥を出すマイナーチェーン店のようです。
3つの中からカツ丼を頼んでみましたが、かなり底の深いずっしりとした丼鉢にご飯がこんもりと盛られ、その上に卵で軽くとじられたカツが乗っかっています。
ご飯のボリュームは十分だし肉質もまずまずで、一瞬これはかなりお得かな?と思いましたが、食べ終わると「う~ん」という感じになりました。
やっぱり、丼モノってのはバランスだと思うんですよね。
具を頬張ってメシをかっこみ、合間に漬物をかじる。最初はまず具の力で入り、ご飯の割合が大きくなる後半は、今度はメシに染み込んだダシがおかずとなる。このリズムとバランスがあってこその丼なんです。
一度、吉野家でも流行りの「つゆだく」を頼んだ事がありますが、最初から最後までダシまみれでご飯の味が分かりませんでした。鍋などを食べた後のおじやとかなら締めという意味で単調でもいいのですが、それ自体で食事が完結する丼は、丼茶碗の中での起承転結が欲しいのです。
そういう意味でここのカツ丼は、まずご飯が多すぎてカツを小出しに食べなくてはならず、ダシも弱くて量が少ないので白ご飯ばかり食べているような気になってしまいます。小皿で添えられたたくあんも薄いのが二切れしか無く、これではご飯の合いの手になりません。
全体的にご飯の量を減らしてダシにもう少しパンチを利かせ、付け合せのたくあんを取り放題にすれば、カツ自体は悪くないだけにもっと満足度は高くなると思うんですけどねえ。非常に惜しい店です。
一串一杯ちょっと
住所:大阪府大阪市中央区谷町6-4-8-103
電話:06-6765-9448