料理雑誌のdancyu2010年8月号のカレー特集に、肥後橋にあるスリランカカレーの店、KALUTARAのマスターが提供したレシピが載っています。

この本が出た当時は、カレー仲間の間でその話題が上っていた事もあって気になってはいたのですが、ついつい忙しさにかまけて存在を忘れてしまっていました。
ところが、最近はグルコバのスリランカマスターである某M氏がそのカレーを作ったとTwitterでつぶやいておられるのを発見し、次のグルコバがスリランカだという事もあって、むくむくと自作の気分が湧き上がったというわけです。
実は、作ってみたくなった理由のもう一つとして、これのレシピが一般的なインドカレーに比べると、玉ねぎとトマトの量が1/6~1/4しか無いという所があったんですよね。
ホールガラムマサラやコリアンダー、クミンなどをローストして作るツナパハと呼ばれるスリランカのミックススパイスを多めに使っているとは言え、やはり途中で味見をしてみるとどこかボディに物足りなさがあり、このままで果たして大丈夫なのかと思ったのですが、レシピに書いてあった隠し味の醤油を入れた途端に、ぐっと旨みが引き立って日本米に合う味になったのには驚きました。
インドカレーを修行している身にとって、醤油やワイン、酒、コンソメといった旨み成分を含む調味料を使うことはある意味禁じ手とも言える手段であり、普段は全くと言っていいほど使うことはないのですが、今回は本に載ったレシピを忠実にコピーするという名分があったので使ってみたら、まざまざとその威力を思い知らされてしまいましたね。
だからと言ってカルータラがまがい物だと言うつもりは全くありませんし、おそらくグルコバ用じゃなくて人様においしいと言ってもらうためだけに作るのであれば、酒だろうが豆板醤だろうがおいしければ何でも使うとは思いますが、いや~とにかくこういう極度なサラサラに仕上げるカレーには、醤油が凄い威力を発揮するという事実に、ひたすら目からウロコだった1日でした。