今回からの新シリーズとして、「殿堂メニュー」というシリーズを始めようと思います。
本家ミシュランは言うに及ばず(笑)私めのしょぼい本サイトでも、やはり公平性を期するためには、同じ店で違うメニューをいくつか試してみて、その上でのトータルで味やコストパフォーマンスを決めざるを得ず、どうしても「これは素晴らしいけど、これは今いち」でBかな、ってところが出てきてしまいます。
しかし、私が普段訪れている店の選択基準としては、トータルで評価が高いところよりも、その店にキラリと光る品があって「アレが食いて~!」というリビドーのほとばしりで決めている場合が多く、本人の実態と評価があまりリンクしてません。
そこで、その店の「アレ」をB級グルメの殿堂メニューとして、熱く語ってみようというのがこの企画です。
で、第一回目は「正宗屋のビール」です。
すいません、いきなりの変化球で(笑)。いや、別に正宗屋のビールは普通のスーパードライで、銘柄に何も特別なところはありません。
もちろん、北ドイツ式にこんもりときめの細かい泡をピルスナーグラスに盛り上げているわけではないし、ただビールとグラスが無造作にどかっとテーブルに置かれるだけです。
しかし、そのスピードが早い。注文とほぼ同時、下手をするとのれんをくぐった瞬間に用意しているんじゃないかと思うぐらいです。
店の客層はひたすらオヤジばかりです。
長い一日の勤めを終え、それぞれの家庭に帰るまでのわずかな息抜きをわずかなお金で楽しむ。
そんな時に、「ビールの酸化を防ぐためにきめ細かな泡を・・・」なんてタラタラとした講釈なんか不要です。つーか、2分も経ったらオヤジはぶち切れます。
「とりあえずビール!」の声とともに置かれたビールをすぐさまコップに注ぎ、そして最初の一杯を「ゴキュゴキュッ、プハー!」 これだけでオトーサンのストレスの95%は解消したも同然です。
あとはもう落ち着いた気持ちで、ビール同様すぐさま出てくるおでんやどて焼きを頼み、財布に余裕があればリッチな気分で活けの平目やカワハギなんぞを頼んでみる。そんな気持ちの贅沢も、わずか350円のビール大瓶の値段があってこそです。
これがこじゃれたカフェなんかで出される、一杯500円で缶1個分も入らないようなグラスビールなんかだと、お父さんの一日分の小遣いは「ゴキュゴキュ」だけで終わりです。だいたい、その値段じゃもったいなくてチビリチビリになってしまいます。
美味や空間だけが贅沢を演出するものではありません。望むものが望む値段で手に入る心の余裕、そういう贅沢が正宗屋には溢れているのです。
正宗屋 天満店
大阪市北区天神橋4丁目12-4