B級的・大阪グルメブログ旧館その2

大阪のお好み焼き屋には、千房やゆかりなどといった繁華街にあるチェーン店と、普通の家を改造したような家族経営の小さな店といった、2パターンの形に大きく分けられます。
後者のタイプは、大阪の下町に行けば、それこそイギリスのパブ並に「お好み焼き」と書かれたのれんが下がっている民家をたくさん見かける事が出来ます。
中身もある意味パブと同じで、どの店もだいたい豚・イカ・海老の具とお好み焼きと焼きそばを組み合わせたメニューが並び、油で黒く光った鉄板が真ん中にでんと収まった安っぽいテーブルに丸イス、脇には油引き、ソース、青海苔とカツオ粉が入ったアルミの3点セット、茶色く古びた漫画と新聞、そして芸術的なコテさばきを見せつつ大車輪で働くおばちゃんが必ずセットになっています。
こういう店は、宣伝して金を儲けると言うよりは、おばちゃんの生きがいのために営業しているようなものなので、どこも安くてうまいです。しかし、「Meets」や「魔法のレストラン」などでたまに取り上げられる以外、このタイプの店が一般人の目に触れることはほとんどありません。そもそも、近所の常連さんの間だけで商売が完結してますからね。いきなり客が増えても、おばちゃんも常連さんも困ってしまうだけです。
大阪人も、府外から客を招いた時にはもっと広くて綺麗な有名店に連れて行く場合がほとんどです。それは、大阪人にとっての「近所のお好み焼き屋」というものは、「ハレ」と「ケ」のうち、ケの最たるものの一つであって、そもそも客を連れて行くという発想が浮かばないんですよね。だいたい、店には20人も入れない場合がほとんどですので、たとえ客を連れてったとしても満席で入れないか窮屈な思いをするだけですからね。持ち帰りの注文がたくさん入っていると待たされることも多いですし。
本サイトに載せている店の中でこのタイプに属するのは「福ちゃん」と「おか」でしょうか。他は焼き手が2人以上いるなど、厨房のキャパシティにまだ余裕があったりするので大丈夫かな。上記の店に訪れる皆様は、くれぐれも大人数で行って出来上がりを催促するなどの無理は言わないようにお願いしますです。

大阪、しかも鶴橋界隈と言えば「焼肉のメッカ」として知られるところなんですが、当然コリアンの方たちが経営している店が多く、残念ながらそういう店はおいしくてもあまり愛想が良くなかったりする事が多いんですよね。
本サイトではサービスの項目は全く評価の点数に反映されていないのですが、やはりB級マニアではない普通の人には無視できない項目であるのも確かです。
「やきにく萬野」が優れているところは、その狭い意味での接客サービスも含めて、全てにおいておいしく食べてもらうためのサービス精神を感じるからなんですよね。
肉にじっくりと火が通る備長炭を使用した炭火を始め、ホルモンを下処理している現場が見えるオープンキッチン、黒板に書かれた当日のお薦め、味付けは肉ごとに3種類、非常に幅広いサイドメニューと、ここまで気持ちよく食べてもらうための環境が充実しているところはなかなかありません。店も綺麗で値段も特選を除けばそれほど高くありませんし、カップルか家族連れ、そして接待にも人気が高いです。
ただ、漬けダレの味が酸っぱくてちょっと好みに合わないのと、前回食べた時に並クラスの肉質がもう一つだったので、黒板のお薦めとホルモン(生があれば是非!)を中心に塩で食べるのが好きなやり方ですね。大変コクのあるクッパや、あっさり目のキムチもお薦めです。
やきにく萬野 本店 (焼肉 / JR環状線桃谷駅)
★★★★ 4.0